作品

08.る輪の家

竣工年 2018年1月
所在地 千葉県
用途 専用住宅
構造 木造
建築面積 126.08㎡
延床面積 145.74㎡
構造設計者 KKSエンジニア 坂本 憲太郎
施工 (株)kurosawa kawara-ten
左官 都倉 達弥
撮影 長谷川健太

敷地は南北を道路に挟まれ、東は民家、西側は畑という郊外で敷地に余裕がありながらも子供を安心して遊ばせたり、開放的な空間にはしずらい場所であった。そのために家族が視線を気にせず子供や家族が自由に過ごせる空間を作ろうと考えた。
はじめに木のルーバーを2階の四周に回し木に包まれた環境を作り、目線を隠し周囲からの緩衝空間を作りつつ暖かみのある空間をつくろうとした。そして1階の階高を高くし、2階との間の1.5階の位置に家族のための地面というべきテラスを設けた。室内から見ると、目線の位置にテラスの床がくるため、目の前を子どもが遊んだり、家族が寛ぐシーンが展開する。また、木ルーバーが1.5階テラスの天蓋の役割となりテラスに落ち着きをもたらすと同時に、柱がないため木の輪が浮かんでいるような感覚をもたらしている。

内部空間においても輪で構成した。
階段を建物の中心に配置し、階段室を廊下が、そして廊下を居室が囲む。いわば輪の入れ子状の構成で、家の中でもぐるぐると歩き回れる。
家の、輪の中心でもある階段室と廊下の間仕切りには楢の挽き板を隙間を開けて貼った。外から部屋、部屋から廊下を通りそしてオークの壁を抜け階段室のトップライトへと自然と風が抜け、機能上も輪の構成を生かすよう計画している。

家という箱の中に様々な輪を嵌めたり内包することで輪をめぐり、文字通り家族が輪になって暮らすことが可能となる家である。