作品

10.Residence (story)

竣工年 2020年11月
所在地 神奈川県横浜市鶴見区
用途 専用住宅
延床面積 79.22㎡
設計 Hutte design
コーディネート・施工 リノベる。
撮影 Masaki Komatsu

横浜の高台に位置するマンションの最上階、そして角部屋のため開口部が多く富士山も望める区画が今回の対象物件であった。
眺望が良く明るい家の中心にLDKを配置し、LDKを囲むように水回りや寝室、書斎を配置した。LDKと各諸室との間仕切り壁には薄く白塗装したシナベニヤを張り光を柔らかく受けとめる共に、またキッチンやフローリングには濃い色を使い間接照明を入れリッチさも出し、柔らかさとリゾート感のバランスを狙っている、またシナべニヤは目地をとって張り、各部屋への扉が目立たない隠し扉となるように工夫した。また、LDKに連続してアーチ型の開口をもったインナーバルコニーはタイル張りとしてLDと連続しつつも空間の質を変えている。玄関は青い化粧板の壁に濃い木の組み合わせ北欧テイストに、洗面室はタイル張りに白木のカウンターでシンプルにまとめつつデスク用のライトを壁付けにしクラシカルな表情とした。そして社会情勢に応じ書斎、玄関脇に洗面コーナーも設置しているが、むしろ家の中に多様な居場所を作る観点での設置でもある。
今回はパンデミックの中で設計がスタートしたこともあり、これからの家の役割についても考える機会となった。上記のように各室で仕上げなど空間の質を変えたのは、家で過ごす時間が増え家の中に変化や居場所を作り暮らして楽しくまた厚みを持たせようとしたからである。絵を飾れる場所があったり、緑と過ごす場所など様々な物語がある家づくりが今後求められる家の在り方の一つだと考えた。